生活習慣改善指導項目
iMedX生活習慣病DXの医師用サイト・看護事務用サイト(以下「本サイト」とする)における生活習慣改善指導項目の出力値・出力内容を導くアルゴリズムは、原則とし各診療ガイドライン等(以下「ガイドライン」とする)に準拠するものであり、利用者は以下の条件に基づき構築されていることを了承する。
1. 用語の定義
- 指導項目:ガイドラインの中で指定されている、医師が指導するレベルの生活習慣項目(例:塩分の摂取を1日6g未満に抑える)
- 実行項目:指導項目を実行するために、患者にとってより具体的な生活習慣項目(例:【麵類】らーめん・インスタントらーめんを食べる1回当たりの量を減らす)
- 3疾患:糖尿病、高血圧、脂質異常症
- HT:高血圧
- HL:脂質異常症
- DM:糖尿病
2. 準拠した診療ガイドライン等
3.指導項目の出力値・出力内容を計算するための基本条件
本サイトにおける生活習慣改善指導項目の出力値・出力内容を導くアルゴリズムは、原則とし各ガイドラインに準拠するものであるが、ガイドラインの記載内容に曖昧さや不明確さがある場合は、利用者である医師の判断で以下の条件を指定する。
- 各疾患ガイドラインに明確な記載がないものは他のガイドラインや上述の「準拠した診療ガイドライン等」に記載する公的情報に沿った計算を適用する。
- 医師が指定する目標BMI等を実現するための、熱量(エネルギー)値の算定やPFCエネルギー比は、脂質異常症と高血圧治療のガイドライン等では一部に詳細の記載がないものがあるため、「日本人の食事摂取基準」等に記載の栄養学の公的情報に沿った計算を適用する。
- 学会ガイドラインと「日本人の食事摂取基準」の内容が異なる場合は、学会のガイドラインの内容を優先する。
- エネルギー係数やBMI目標などに基づいた各栄養価の目標値への割り振りに関しては、高血圧と脂質異常症のガイドラインには詳細の指定がないため、「糖尿病食事療法のための食事交換表」(以下「交換表」とする)に従って計算する。この時、交換表の例に示されていない総エネルギー量やPFC比のケースを算出するために、表示例を極力満たすための近似式を作りこれに基づき算出をする。
- 各ガイドライン間、もしくは同一ガイドライン内の別部位で指示内容が同一でない場合は、患者リスクの低い記載を優先的に採用する。
- 高齢者の運動条件について、「高血圧診療ガイド」には明確な記載はないが、「高血圧診療ステップアップ」では、高齢者の場合は運動開始前に事前のメディカルチェックを行うことが必須とされている。そのため、高齢者には事前のメディカルチェックを推奨する。
- 各疾患のガイドライン間で同目的・同内容の指導項目がある場合の禁忌や条件については、安全性において最も厳しいものを優先する。また、同様に、一部のガイドラインにおいて不明確な禁忌や条件は、明確な記載のあるガイドラインの禁忌や条件を優先する。
- 「高血圧診療ガイド」の高血圧治療のための食塩制限にはフレイルな高齢者への条件の記載があるが、「糖尿病治療ガイド」内の高血圧治療のための食塩制限には同様の記載はない。この場合は、前者の条件に従う。
- 各疾患のガイドライン間で、事実上の同一指導項目であるが指定の数値に差がある場合、最もリスクの低いまたは条件の厳しい数値に統一する。
- 食物繊維の摂取目安(目標)は、「脂質異常症診療ガイド」では25g/日以上、「糖尿病診療ガイドライン」では20g/日以上であるため、両疾患を併発している患者には、 25g/日以上を摂取目安(目標)とする。
- 合併症(糖尿病腎症やCKD/腎不全や高カイロミクロン血症等)を併発している場合には、原則、合併症側のガイドラインを優先する。但し、合併症が3疾患である時は、この限りでなく、各対象疾患のガイドラインを優先する。
- ガイドラインに特に記載のない血圧は、診察室血圧とする。
- 血液検査は、10時間以上の絶食(但し、水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする)の「空腹時採血」を前提とする。
- LDL-CはFriedewald式(TC-HDL-C-TG/5)、または直接法で求めたと仮定する。
- TGが400mg/dL以上や食後採血の場合は、non-HDL-C(TC-HDL-C)かLDL-C直接法を使用した前提とする。
- TC,TG,HDL-C,LDL-Cの目標値について、39歳以下は年齢を40歳と仮定しリスク評価し、目標値を設定する。
- 血圧の目標値は、両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞未評価・蛋白尿区分A2・3として提案する。
- 薬剤の服薬情報がない場合は、服薬がないものとして計算する。
- 患者が「生活習慣病DX NE検査」を未実施の場合は、労作は「普通の労作」として計算する。
- ガイドラインで参考記載のみの項目は、本サイトでの指導項目の対象にしない。
4. 指導項目の表示順序を決めるルール
- ガイドラインに記載の指導項目を表示する際の順序を決めるルールは、利用者である医師の判断で以降のとおり指定する。
5. 注意点
- 本サイトにおける生活習慣とは食事、運動、睡眠といったものが対象であり、薬物療法や心理療法(メンタルケア)は含めない。
- 本サイトでの出力値・出力内容や指導項目の表示順序は全て、医師の判断を補助するためのものであり、患者への診断や指導内容は、最終的には必ず医師自身が判断するものとする。
- スクリーニングで境界域高LDL-C血症、境界域高non-HDL-C血症を示した場合は、高リスク病態がないか検討し、医師が治療の必要性を判断する。また、スクリーニング時に高TG血症を伴わない場合はLDL-Cとの差が+30mg/dLより小さくなる可能性を念頭において、医師がリスクを評価する。
- 2025年7月15日現在では、以下の疾患等は本サイトでの対象外である。
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患者年齢
- 小児(12歳未満)
- 糖尿病 中学生以下
- 脂質異常症 14歳未満
- CKD 18歳未満
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併発疾患
- 糖尿病腎症 第4~5期
- CKD ステージG3b~G5
- ネフローゼ症候群
- 高カイロミクロン血症
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その他
- 妊娠中・授乳中
- 1次予防のための生活習慣改善(なお、食後高脂血症への生活習慣改善はこれに該当する)
- 療養計画書の栄養状態の項で「低栄養・フレイル状態の恐れ」(医師による指定)と「肥満」(BMI値により自動判定)が同時に該当した場合は、医師による指定である「低栄養・フレイル状態の恐れ」を優先する。
- 本「生活習慣改善指導項目アルゴリズムの前提」の内容を変更する際は、生活習慣病DXの利用規約 第35条に基づく。
2025年7月15日 改定